自己免疫疾患について ⑧ 甲状腺疾患

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 甲状腺機能亢進症 (バセドウ病)  | 
 甲状腺機能低下症 (橋本病)  | 
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 成因  | 
 TSH受容体に対する抗体 遺伝、ウィルス感染が重要視  | 
 甲状腺ミクロゾーム、サイログロブリンに対する抗体。 家族内発生がある。  | 
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 TSH  | 
 TSH低下  | 
 TSH上昇  | 
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 T3 T4  | 
 T3 T4上昇  | 
 T3 T4低下  | 
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 症状  | 
 発汗の増加、体温上昇、 食欲の増進、動悸、手指の震え、 眼球突出  | 
 軽症の場合は甲状腺腫大。 全身倦怠、肩こり、寒がり、 体重増加、便秘  | 
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 治療 
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 薬物治療 抗甲状腺薬、1~2年で 寛解率10~20% 5年で 約50%服薬中止。 
 放射線ヨード治療 治療後10年以内に半数以上が 甲状腺機能低下症になる。 
 外科治療 約80%が機能正常化。再発、 術後の甲状腺機能低下が約10%  | 
 薬物治療 甲状腺機能低下、血中TSHが高く甲状腺腫が大きい場合に実施。 
 ヨード制限食 甲状腺機能低下症が自然改善する。  | 
甲状腺ホルモンの生合成
 1. 食餌中飲料水に含まれるヨードは腸管より吸収される。
 2. 甲状腺の濾胞上皮細胞は能動輸送により、ヨードを
  25~100倍濃縮する。
 3. ヨードは濾胞腔内で酸化されI2になり、サイログロブリンの
  チロシン基と結合する。
  その結果、MITやDITが産生される(ヨードの有機化)
 4. MITとDITが結合してT3やT4ができる。
ヨードの有機化はTSHで促進され、抗甲状腺剤、大量のヨード
 などで阻害される。
 ヨードの過剰による抑制はウオルフ・チャイコフ効果と呼ばれます。
甲状腺ホルモンの作用
 1. 全身の細胞の呼吸量やエネルギー産生量が増加
 2. 全身の細胞の基礎代謝の維持・促進が起こる
バセドウ病の場合、TSHの抗体が甲状腺受容体へ入ると
 T4T3が作り続けられる。
 橋本病はヨード制限を厳しくすべきで、細胞が
 壊れないようにするべきである。

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