漢方薬の驚異 第67回 四逆散(しぎゃくさん)の生薬 「柴胡(さいこ)」
前回、肝気鬱結(かんきうっけつ)に良い漢方「四逆散」のお話をしました。
今回はその4つの構成生薬のうち、柴胡(さいこ)について解説します。
■柴胡(さいこ)・・上部情動中枢、自律神経中枢へ作用してイライラ緊張を取ります。
柴胡は現代薬理学では解熱作用、抗炎症作用、鎮静・鎮痛作用、
グルココルチコイド作用、アセチルコリン増強作用などが
知られています。
基原植物はミシマサイコ、科名はセリ科の植物。根を使用して、
主な成分はサイコサポニンです。
薬能としては、
●1.解表・退熱の作用
外感病の表証を解除、解熱・抗炎症作用を持ちます。
黄ごんとの組み合わせで、消炎・解熱作用が増します。
柴胡は視床下部から下垂体などの上位に作用し、自律神経系
内分泌系の調整を行います。
●2.疎肝解鬱(そかんげうつ)作用
鎮静作用と鎮痛作用を持ちます。
肝気鬱結(かんきうっけつ)に良い漢方「四逆散」の主薬
として働きます。
●3.昇陽挙陥(しょうようきょかん)の作用
筋肉の緊張、収縮力を強くする。
升麻、黄ぎ(おうぎ)などと併用するとよりこの力が高まります。
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