漢方薬の驚異 第28回 四物湯(しもつとう)~その4~
今回は四物湯の中の生薬 地黄(じおう)についてです。
地黄は、日本や中国産のゴマノハグサ科ジオウ属植物の肥大根から
調製されます。綺麗なワインレッドの花を咲さかせます。
地黄は、人参と共に増血の王様と言われており、末梢循環障害改善
によってエネルギー代謝を活性化する事が知られています。
主に、
1.冷え性の改善
2.血色不良の改善
3.疲労回復
などの作用があり、生活習慣病の予防にも利用できます。
地黄は、修治(しゅうち)という生薬加工を行うことによりその
薬効が変化します。
生地黄・乾地黄(生もしくは乾かすだけ)という何も加工をしない
時は、主に熱を冷ます効果が高まります。
1.解熱作用
2.止血作用
3.腸管の水分を保ち、便を軟らかくする
4.流産の防止
熟地黄(地黄の根を乾燥させて酒につける。その後、蒸して熟にする。)
主に体を潤す効果が高まります。
1.脱水を防ぎ、口渇を除く
2.栄養を補う
3.強心作用
4.自律神経、内分泌の調整
同じ生薬であっても加工(修治)方法によって、その生薬の薬効が変化
する事はとても不思議な事です。
修治によって薬効が変化する生薬は、他に附子(ブシ)、人参、牡丹皮
など色々あります。
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