漢方薬の驚異 第16回 中医学の成立

中医学は昔から、あるものと思われている方が多いです。
しかし、今の中医学体系ができたのは最近のことなのです。
中国の広大な土地には、薬用植物も数多く存在します。
北と南ではまったく育つ植物も違い、かかり易い病気も、
住んでる人の体質も違います。
薬草が違えば、違った処方薬ができるのも当たり前のことです。
中国の医学は、伝統医学としては大変古いものです。
そして、各地には老中医(ろうちゅうい:門外不出の独特の治療方法を
習得した医師)が存在し、代々と伝わる医学を細々と継承して
伝えられてきました。
伝統の薬を脈診によって、ひとりひとりにあった薬が処方されて
いたのです。
1949年、中華人民共和国が成立後に、現代中医学ができました。
その当時、中国は10億の民がいて医師がたった2万人であったと
言われています。
中国の医療は、中国祖国医学を踏襲した老中医が中心でした。
そこで、毛沢東(1893~1976)は伝統医学を西洋医学と
対等以上の医学体系として、再構築するように改革を行います。
速成の医師養成制度を立ち上げたのです。
周恩来首相の指示により全国統一的な中医学テキストを作り、
それを使用して中医師を養成しました。
現代の中医学基礎は、このときに出来上がったのです。
ですから中医学で使用する薬物は何千年の歴史がありますが、
医学体系としてまだまだ発展途上のわずか50年たらずの医学
なのです。

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