漢方薬の驚異 第14回 漢方医学としての体系化
中国で発展した漢方は、古代漢民族が漢代から三国六朝時代に
かけて完成した医学体系です。
約2000年も閉鎖的に発展してきた漢方の中で、
漢の時代の黄帝内径(こうていだいけい)という本があります。
紀元前200年から紀元頃の間のいくつかの書をまとめた物
とされ、素問(そもん)と霊枢(れいすう)に分かれています。
素問(そもん)・・・医学の根本的問題についての問答
中国医学の基礎理論
霊枢(れいすう)・・・人知でははかれない貴く重要なもの
鍼灸理論と実践
以上のような医学の理論と鍼灸の術が大成されました。
広大な中国では、薬物も同じものが存在せず、北と南では
治療方法も使用薬物も違った漢方医学が発展したとされています。
1.黄河文化圏・・・・「黄帝内径」素問霊枢
石や骨を使った鍼灸療法中心
2.江南文化圏・・・・土地が肥えて、薬草が多かった
「傷寒雑病論」(しょうかんざつびょうろん)
温暖なため、病原菌による病気も多かった
3.揚子江文化圏・・・・山岳地帯の植物が多い
不老長寿を願う神仙思想が盛ん
最古の薬物書
「神農本草経」(しんのうほんぞうきょう)
上記の歴史のある薬物、医学理論の積み重ねによって、
現在の漢方医学が成立しました。
長い、長い年月と臨床実験データの積み重ねなのです。
悪いものは淘汰され、良いものだけが残ってきた歴史の産物です。
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