自己免疫疾患について ⑤ 特発性血小板紫斑病

●特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせい けっしょうばん げんしょうせい しはんびょう ) とピロリ菌

自己免疫疾患の1つ、特発性血小板紫斑病の原因が
ピロリ菌の関与があることが分かっています。
上部消化管に存在するピロリ菌を除菌すると血小板が
増加する(13%~ 100%)
ピロリ菌除菌が血小板減少性紫斑病の保険適用になって
います。

ピロリ菌のタンパク質と血小板のタンパク質がとても
よく似ていいます。
それにより、生体は血小板に対する抗体を作ってしまう
のです。免疫系のエラーです。

●掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)とα連鎖球菌(常在菌)

特徴 中年女性に好発する難治性慢性皮膚疾患です。
手掌と足跡に無菌性の小膿胞を作ります。

治療法  扁桃腺摘出手術で80%以上の皮疹の改善
 
があります。

原因  自己免疫疾患的機序
 1. 掌蹠膿胞症患者は、扁桃のα連鎖球菌の抗体価が
 上昇する。
  2. α連鎖球菌と皮膚の熱ショック蛋白(HSP)が共通抗原。
 ケラチンやコラーゲンに対する自己抗体が作られる。

 

原渕保明、臨床免疫、45(4):425(2006)

感染症α連鎖球菌のタンパク質と皮膚組織のタンパク質が良く似ている
ために起こってくる、自己抗体が組織を攻撃する免疫のエラーと
考えられます。

自己免疫疾患は感染症との関連を指摘されています。
特に扁桃摘出によって改善されるケースを報告されています。

疾患 病態 改善率
掌蹠膿胞症 足底、手掌の膿胞 90%
IgA腎症 血尿、放置すると透析 70%
胸肋鎖骨過形成 胸肋鎖骨の腫脹、疼痛 90%
  掌蹠膿胞症を合併(約80%)  
アレルギー性紫斑病

紫斑の多発。3~10歳に多

IgAが関係。

70%
尋常性乾癬 鮫肌の多発、難治性 70%
ベーチェット病 口内アフタ、目の炎症 70%
リウマチ性関節炎 朝のこわばり、関節痛 70%
アキレス腱炎 アキレス腱の炎症 70%

     (旭川医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 インターネットより) 

 

このような結果を見ると、扁桃での感染と自己抗体がとても関連性ある事が
分かります。
いかに感染症を扁桃組織で、食い止めるかを考える必要性を感じます。

 

 

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