慢性関節リウマチの分かりやすい解説 3 -検査、経過と予後-
★☆★ 解説3 ★☆★
[1] 検査
●赤沈値
ほとんど全例で20mm/1時間以上の上昇がみられる。
●CRP
リウマチ活動性の強さに伴い、陽性度が強くなる。
赤沈値とほぼ平行する。
●貧血
中等度の貧血がみられます。血清鉄と鉄結合能が減少する。
●血漿成分
IgM IgG IgAの全てに上昇がみられる。
アルブミンは減少する。
●リウマトイド因子
RAテストで70%が陽性となる。
発症初期では陰性のことが多い。
通常のRAテストで検出されるリウマチド因子は
IgM-グロブリンです。
●X線像
骨、関節の変化は発症初期には明らかでない。
進展すると、骨ポローシス(粗しょう症)、骨びらん(骨融解性病変)
破壊、強直、変形などがおこる。
●抗シトルリン化環状ペプチド抗体 (抗CCP抗体)
リウマトイド因子はRAに特異的ではない。
[2] 経過・予後
10年~15年の経過をみると、完全寛解する患者は少なく、
多くの例は進行性である。
寛解する例の多くは発病後2年以内に治癒する。
一般的に男性は女性より軽く、リウマトイド因子高値例は悪い。
関節症状として血管炎がみられるときは、予後が非常に悪い。
生活機能障害の程度で見ると、
class Ⅰ 日常の全ての動作は可能 15%
class Ⅱ 多少の運動制限はあるが、全ての動作は可能 40%
class Ⅲ 日常動作すべて高度に障害される 30%
class Ⅳ 身の回りのことができず、寝たきり、ないし車椅子の生活 15%
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