慢性関節リウマチの分かりやすい解説 2 -原因と症状-

★☆★  解説2  ★☆★

[1] 原因

●リウマトイド因子(免疫複合体)の産生

変性した自己IgGに対する抗体(IgMが多い)が作られて、自己IgGと
結合し免疫複合体をつくる。(リウマトイド因子)

●滑膜や軟骨の傷害

免疫複合体を貪食する好中球から、蛋白分解酵素や活性酸素が
出て、滑膜や軟骨の傷害される。

●リンパ球の機能異常

1.滑膜細胞を刺激して、コラゲナーゼ、プロスタグランディン、フィブロ
ネクチンを放出させる。

2.滑膜細胞を増殖させ、パンヌスを形成し、軟骨を破壊する。

3.IL-1はリンパ球、マクファージ、滑膜細胞などから産生され
滑膜細胞の増殖や骨破壊をもたらす。
また、T細胞を活性化する。

4.IL-6は滑膜浸潤リンパ球から産生し、リウマトイド因子などの
抗体産生を昂進する。

5.細胞傷害性T細胞やNK細胞が滑膜細胞を傷害する。

[2] 頻度

日本の患者数は約50万人です。

女性 対 男性の比率は、3~5 対 1

20~30歳代の発症が多く、60歳以降の発症も増加している。

[3] 症状

●関節症状

発症初期に、指、手関節のこわばりかみられる。
特に、早朝起床時に指を動かそうとしても力がはいらず、
こわばる状態をmorning stiffness(朝のこわばり)という。

●関節痛

手首、中手指節などの関節痛が対照的に多発する。
一度痛むと数週間持続する。

●関節炎

痛む関節が腫脹する。発赤と運動制限がみられる。
関節炎が長時間持続すると、関節の変形がおきる。

●全身症状

全身倦怠感、食欲不振、貧血、微熱

●神経症状

四肢末梢のしびれ感や、軽度の知覚鈍麻がみられる。

●その他

リウマトイド結節が20~25%の患者に出現する。
間質性肺炎が30~50%程度みられる。
進行すると肺繊維症になる。
シェーグレン症候群を伴うと、角膜、結膜、口内の
乾燥症状がでてくる。

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