第64回 日本東洋医学会学術総会に参加して
例年より早い梅雨入りとなりましたが、各地で空梅雨が続いていました。
今週は台風が接近し、梅雨前線も活発化しそうです。
先日、鹿児島で第64回日本東洋医学会「漢方 ”力 “ その技とサイエンス」
があり、出席してきました。あいにくの雨で、桜島は雲がかかっていましたが、
会場の城山観光ホテルから見る鹿児島市内は雄大で、とても癒される町
でした。
全国から多くの漢方専門医や薬剤師が参加し、盛況に催されました。
一番、感じた事は、若い先生が多かった事。10年前よりも、確実に活気の
ある学会に感じました。多くの演題がありましたが、特に今後の日本にとって
深刻な社会問題になってくる「認知症」に関する話が印象に残りました。
長寿社会を元気に、健康的な生活を過ごす事の大切さと漢方療法の
重要性・可能性を感じました。中でも、北里大学東洋医学総合研究所の
花輪寿彦先生は、漢方の西洋医学的な基礎研究・臨床試験を繰り返され、
また古典研究からも有効な処方の検索を行われ大変興味深いお話を
聞けました。
抑肝散(よっかんさん)、加味温胆湯(かみうんたんとう)など、処方の研究は
多くされていますが、果たして処方薬のどの生薬が一番有効かを考えられ、
中でも生薬・陳皮[ちんぴ](温州みかんの皮)の有効成分ノビレチン、
ポリメトキシフラボンなどに注目されていました。現代医学の認知症治療薬は
ありますが、なかなか有効な薬がなく周辺症状(周囲の人との関わりのなかで
起きてくる症状)の改善だけでなく、中核症状(脳の神経細胞が壊れることに
よって、直接起こる症状)にも良い影響を与えるものは何か、これから追及
されるようです。早期よりこのような漢方を服用すれば少しでも進行を
遅らせる可能性があり、本人のみならず介護する家族にとっても期待される
研究になると思います。
2012年現在、認知症患者の推定患者数462万人。
軽度認知障害の高齢者も約400万人。65歳以上の4人に1人が認知症と
その予備軍であると試算されています。今後ますます増え続けると予想され、
漢方薬が患者様の生活改善に役立つ日が来る事を祈りつつ帰路につきました。
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