令和の酷暑を笑顔で乗り切る! ~心と体を潤して~

今年の夏も、体にこたえる厳しい酷暑が続いていますね。
冷房の効いた室内と、一歩外に出たときの猛烈な暑さ。
この「激しい温度差」に、体も心もヘトヘトになっていませんか?
実は夏バテと一口に言っても、年齢やライフステージによってその原因や対策は少しずつ異なります。
今回は、シニアの皆さまはもちろん、日々家事やお仕事に忙しい40代〜60代の中年女性の皆さまにもぜひ知っていただきたい、夏を健やかに乗り切る「漢方の知恵」をお伝えします。
1. 昔と今の違いを知ることが、最大の防衛策

「冷房を使い続けると体に悪い気がする」「夜は電気代がもったいないから扇風機で十分」
もし、そんな風に思っていらっしゃるとしたら、それは少し危険かもしれません。
昔に比べて、現代の夏の気温は明らかに上がっています。
35℃を超える日は1875年(昭和50年)に一日あっただけでした。
2018年に初めて7日以上に。
2024年は東京で12日、大阪で13日。
2025年は東京で7日、大阪で17日。
今年2026年は、けんこう屋のある神戸で、7月に入ってからすでに9日も35℃を超えています。
いかがですか?
10年前の夏の暑さとは違うことがよく分かるのではないでしょうか?
さらに、年齢を重ねると「暑い」「喉が渇いた」と感じるセンサーが少しずつ緩やかになっていきます。
そのため、シニア世代の方は自覚がないまま体が水分不足になってしまうことがあるのです。
「まだ大丈夫」と思わずにエアコンを上手に使うこと。
これが、現代の夏を生き抜くための最初の約束事です。
2. 中年女性を襲う「夏バテ×ゆらぎ期」のダブルパンチ

40代から50代の女性からは、夏になるとこんなお悩みをよく伺います。
- 「のぼせるように暑いのに、足元は冷えてつらい」
- 「イライラしたり、急にドッと汗が噴き出したりする」
- 「夜、暑くて何度も目が覚めてしまい、疲れが取れない」
これらは単なる夏の暑さのせいだけではなく、女性ホルモンの減少による「自律神経の乱れ(ゆらぎ期の不調)」が、夏の猛暑によってさらに悪化しているサインかもしれません。
漢方では、「気(き・エネルギー)」「血(けつ・栄養)」「水(すい・うるおい)」の3つのバランスを重要視します。
夏は大量の汗とともに、この「気」と「水」がどんどん外へ逃げていってしまいます。
エネルギーとうるおいを失った体は、自律神経のコントロールがうまく効かなくなり、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)やイライラ、不眠を引き起こしやすくなるのです。
3. 夏の終わりに老け込まない!「飲む点滴」と「白い食材」
汗で「気」と「水」が抜けると、秋口に「肌がカサカサになる」「髪がパサつく」「一気に老け込んだ気がする」といった美容面の大敵にもつながります。
今からしっかりとうるおいをチャージしておきませんか?
① お手軽!「梅干し+甘酒」の特製ドリンク

中年女性やシニアの皆さまにぜひ試していただきたいのが、日本の伝統的な発酵飲料である「甘酒」です。
甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほどアミノ酸やビタミンが豊富で、失われた「気(エネルギー)」を素早く補ってくれます。
ここに、クエン酸が豊富な「梅干し」を少し潰して混ぜるのがおすすめです。
酸味には、汗が出すぎるのをギュッと抑え、体の中に「水(うるおい)」を繋ぎ止める素晴らしい働き(収斂作用)があります。
冷やしすぎず、常温か少し温めて飲むのがポイントです。
② 体の内側から潤す「白い食材」
漢方には、体にうるおいを与えてほてりを鎮める「養陰(よういん)」という考え方があります。
特におすすめなのが、以下のような「白い食材」です。
- 豆腐・豆乳:女性ホルモンに似た働きをし、体を優しく潤します。
- 白キクラゲ・ハチミツ:乾燥から肌や喉を守る、薬膳の定番です。
- 山芋・長芋:滋養強壮に優れ、胃腸を元気にしながら潤いを補います。
冷たいサラダばかりを食べるのではなく、冷奴にすりおろした山芋をかけたり、お味噌汁に豆腐を入れたりして、日々の食事に「白」を意識してみてくださいね。
4. 夏の不調を助ける「漢方薬」の力
どうしても疲れが抜けないときや、心のモヤモヤ、のぼせがつらいときは、無理をせず漢方薬の力を借りるのも賢い選択です。
| 漢方薬の名 | こんな症状・お悩みにおすすめ |
| 清暑益気湯(せいしょえっきとう) | 暑さで体力が落ち、体がだるく、食欲がない方に。「夏の栄養ドリンク」のような存在です。 |
| 加味逍遙散(かみしょうようさん) | イライラ、のぼせ、ほてりなど、心のゆらぎや自律神経の乱れが気になる女性に。 |
| 生脈散(しょうみゃくさん) | 汗をかきすぎて、元気とうるおいが底をつき、ヘトヘト・息切れしている方に。 |
| 五苓散(ごれいさん) | 体内の水分バランスを整えます。夏のむくみや、頭痛、めまいがある方に。 |
※漢方薬は、その方の体質に合わせて選ぶことが何よりも大切です。気になる症状があれば、いつでもお気軽に当薬局の漢方薬剤師にご相談ください。
5. 暮らしの中でできる、かんたん養生法
① 「首」の後ろを優しくいたわる

冷房の風が直接、首の後ろに当たると、自律神経が乱れて頭痛や肩こりの原因になります。
寝違えたように首に違和感が出る方もいらっしゃいます。
外出時やオフィス、寝るときは、薄手のストールやネッククーラー(冷やしすぎないもの)をうまく使い、首元を守りましょう。
② 夜の「スマホ」は早めにオフ
夏の夜は寝苦しいものですが、寝る直前までスマートフォンを見ていると、脳が「昼間だ」と勘違いして、さらに自律神経が乱れてしまいます。
就寝の1時間前には画面を閉じ、リラックスできる音楽を聴くなどして、質の良い睡眠を目指しましょう。

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