2.中島紀一(随象:ずいしょう)先生の一貫堂医学について
中島漢方舎の一貫堂
● 中島紀一先生
矢数格先生に一貫堂医学、明石藩御典医の柳川杏窓先生に古方の薫陶を受ける。
一貫堂処方を多く運用されたが、古方の弁証論治に基いた中島流一貫堂であった。
●中島流漢方の大綱
「病は邪である。その治療は瀉法である。」
「補は正気を補うもの、直接病邪を除くものではない。
正気を補い、正気を充実すれば病邪を制することができる。」
「諸悪の根源は、血である。血というものを重視せよ。
病百のうち百までは血で解決する。」
●血圧測定による弁証論治
・最低血圧が高いときは、通導散を使え。
・最低血圧が低下する場合は、竜胆瀉肝湯、黄連解毒湯を用いる。
・最高も最低も、ともに低いときは、きゅう帰調血飲の加減を用いる。
・最高血圧が140~130と低くても、最低血圧が100mmHg以上であれば通導散を用いる。
・最低血圧が高いときは性器・腸出血あっても止血剤を用いず、通導散でお血を除くべきだ。
●中島先生の癌療法
・中島先生は、「癌に対して通導散を使え」と遺言された。
・子宮癌に通導散と防風通聖散の合方
・舌癌に竜胆瀉肝湯あるいは防風通聖散加白し・きょう活・柴胡・升麻
・乳癌に荊防敗毒散加黄連、大黄あるいは、防風通聖散合方
・通導散は癌に対してある程度の効果はある。
・癌の痛みに対しても効果がある。(主薬は蘇木)
・末期の痛みに、早い時期より服用すると痛みを訴えない。
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