漢方薬の驚異 第71回 柴胡疎肝散(さいこそかんさん)

肝気鬱結(かんきうっけつ)に良い漢方「柴胡疎肝湯
さいこそかんさん」の処方解説です。

生薬は、「柴胡、枳実、芍薬、甘草、香附子、川きゅう」
が配合されています。

香附子というのは抗うつ作用があり、昔から婦人の聖薬として
血の道によるうつに使用されてきました。
また、嘔吐を抑える作用があります。

よって四逆散よりもより消化器症状に適している処方と
考えられます。

過敏性大腸症候群などの腹痛、痙攣性の便秘にも有効です。
痙攣性の便秘は、肝鬱によって起こることが多いです。
この場合、太い便が出ず、細い便がでます。
肛門括約筋は、緊張しているケースが多いです。

また、下行結腸からS状結腸にかけて数珠状に便があって
細くてクリクリしているケースがレントゲンでも撮れます。

肝気欝結の患者さんは、筋緊張の強い方が多いものです。

「四逆散」に「香蘇散」を合方したような処方
「柴胡疎肝散 さいこそかんさん」は、イライラや
うつにも適応できる処方なのです。

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