漢方薬の驚異 第69回 四逆散(しぎゃくさん)の生薬 芍薬(しゃくやく)
肝気鬱結(かんきうっけつ)に良い漢方「四逆散」の構成
生薬の続きです。
今回はその4つの構成生薬のうち、芍薬(しゃくやく)について
解説します。
■芍薬(しゃくやく)
・・・シャクヤク Paeonia lactiflora Pallas
成分・・・モノテルペノイド配糖体(ペオニフロリンなど)
多糖類、精油 他
薬理・・・鎮痙作用、鎮痛作用、アジュバント関節炎抑制用
抗血液凝固作用、細網内皮系賦活作用、鎮静作用
抗アレルギー作用
薬能としては、
●1.緩急止痛
筋肉のけいれんを緩める。
平滑筋や横紋筋を問わない。
甘草と併用して、芍薬甘草湯の形として使用する事多い。
芍薬甘草湯は、骨格筋の収縮抑制作用を発現し、鎮痙作用を
現すと言われている。
また甘草の抗炎症作用はある程度抑えられて、芍薬の鎮痛作用
が強く現れてくる。
●2.収斂作用
外に出るものを出さないように止める作用あり。
止汗作用、止血作用、胃液の分泌抑制。
●3.その他
頭痛、耳鳴り、鼻出血、生理痛、性器出血などに
使用される。
尾台榕堂の「重校薬徴」には、次のように記されている。
「主に筋肉が硬くなってひきつれるものを治し、また
腹痛、頭痛、知覚麻痺、疼痛、腹部膨満、咳き込むもの
下痢、化膿性のできものなども治す」
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