漢方薬の驚異 第68回 四逆散(しぎゃくさん)の生薬 「枳実(きじつ)」

(ナツミカン)

 

前回の肝気鬱結(かんきうっけつ)に良い漢方「四逆散」の構成
生薬のひとつである柴胡(さいこ)について解説しました。

今回はその4つの構成生薬のうち、枳実(きじつ)について
解説します。

■枳実(きじつ)・・・基原植物はダイダイ、ナツミカン、科名は
ミカン科の植物。
未熟果実を使用して、主な成分はリモネン、
ヘスペリジンなどです。

枳実はダイダイ、ナツミカンなどの未熟果実をそのまま又は
半分に横切りして乾燥したものです。
こんな、みかんの皮が大変おもしろい働きをするのです。

現代薬理学では回腸弛緩・抗セロトニン作用、胃腸収縮運動
促進作用、胃粘膜保護作用、鎮静作用、抗炎症作用などが
知られています。

薬能としては、

●1.疎肝解鬱(そかんげうつ)作用

鎮静作用と鎮痛作用を持ち、肝気鬱結(かんきうっけつ)に
良い漢方「四逆散」の主作用として働く。

●2.破気消積作用

平滑筋を緩め、運動を正常にする。
弛緩作用あるが、運動の悪いときは運度を良くする。
嘔吐・曖気(あいき。げっぷのこと)を止める。

●3.湿熱積滞を除く作用

利湿と消炎作用がある。

●4.痰飲を除く作用
水邪の粘稠 (ねんちょう)なもの。

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