漢方薬の驚異 第56回 小柴胡湯(しょうさいことう)その1

今回は、和解剤の中でも代表的漢方薬「小柴胡湯」についてです。

「柴胡、黄ごん、半夏、生姜、人参、甘草、大そう」

から成っている漢方薬。

主に、以下の病態の際に使用されてきました。

1.胸脇苦満(きょうきょうくまん)

熱病の時、胸と脇とか上腹部の張りなどで苦しくなる状態です。

2.往来寒熱(おうらいかんねつ)

熱病の際に、まず悪寒して悪寒が止まれば直ちに発熱するもの。
少陽病の熱は、寒熱が交互に起こるとされています。

個々の生薬の薬理作用は、

柴胡+黄ごん・・・・・炎症に使用する消炎解熱剤

黄ごん+半夏・・・・・胃の炎症

半夏・・・・・・・・・ 止嘔、鎮咳去痰、胃・気管支カタル、鎮咳・鎮嘔・
制吐作用あり

半夏+生姜+人参+甘草+大そう・・・・胃薬

柴胡+甘草+大棗・・・・向精神薬

柴胡は疎肝作用、肝鬱の改善、半夏は鎮静作用、大そう
と甘草は抗精神的作用を持っています。

「小柴胡湯」は、もともと熱病の薬として作られたもの。
熱の初発でなくて、発熱が何日も続き食欲がなくなって
ムカムカするときに使用されてきた薬です。

胸脇苦満(きょうきょうくまん)や往来寒熱(おうらいかんねつ)に
とらわれずに使用すると応用範囲の広い漢方薬です。

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