漢方薬の驚異 第47回 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
今回は、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) についてお話します。
この漢方薬の構成生薬は、
麻黄(まおう)、石膏(せっこう)、甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)、
生姜(しょうきょう)、白朮(びゃくじゅつ)
主薬は、
●麻黄(まおう)と石膏(せっこう)です。
この二つの生薬の作用は、
血管の透過性亢進による浮腫に使用します。
例えば、関節炎の場合では
発赤があって、熱感が強く、触ると熱い場合。
慢性関節リウマチの関節炎などは、このケースの場合が多いです。
他にも急性腎炎・ネフローゼ型腎炎、
結核性の肋膜炎で炎症があって水が溜まる時、
やけどの水泡ができた場合、
湿疹・皮膚炎による浮腫などにも利用できます。
「血管の透過性亢進による浮腫」の流れは以下の様になります。
1.局所侵襲
↓
2.動脈性の充血
↓
3.毛細血管拡張して組織が赤くなる
↓
4.血流停滞
↓
5.細静脈でうっ血
↓
6.血液成分の滲出
↓
7.滲出性炎症の浮腫
麻黄(まおう)と石膏(せっこう)で、発汗が抑えられ利尿に作用し
浮腫が取れます。
●白朮(びゃくじゅつ)は、組織の中の水を血管やリンパへ取り込む。
この3つの生薬で、体の湿を尿の方へ取り除く漢方薬です。
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