漢方薬の驚異 第22回 帰脾湯(きひとう)

 

最近、不眠に用いられる事の多い補気剤の一つ帰脾湯は、

処方の中に遠志(おんじ)という生薬が入っています。
これは、養心安神、きょ痰という作用があります。
養心安神とは精神安定作用の事ですが、これにより不眠症に
良いです。

その他の鎮静作用のある生薬は、
酸棗仁(さんそうにん)・・・・鎮静作用、体力低下、食欲不振、
不眠、動悸
茯苓(ぶくりょう)、龍眼肉(りゅうがんにく)・・・・鎮静作用

などが処方の中に含まれています。

 

帰脾湯は四君子湯加木香に大変近い処方内容で

(黄耆、人参、白朮、茯苓、甘草、大棗、生姜、当帰、
木香)に「酸棗仁、龍眼肉、遠志」が加わった処方になります。

この四君子湯は、元気を補う処方であり体力低下、易疲労、虚弱に用いられます。

四君子湯についてはこちら「漢方薬の驚異 第18回 四君子湯(しくんしとう)」

そして帰脾湯は、

1.ストレスに対する鎮静効果とその悩みによる食欲低下、
気力低下
2.老人の認知症にも応用されています。

例えば、
◎テレビを見ながら居眠りをして夜は一睡もしない。
◎食事をしながら口に食べ物を入れたまま眠ってしまう。そのくせ、眠れない。
◎自分の住所や名前も忘れ、1~2時間前に食事した
事も忘れてしまう。
その様な方にも一度使用すると良い場合があります。

もう一つ、帰脾湯に柴胡(サイコ)と山梔子(サンシシ)を加えたものに加味帰脾湯(かみきひとう)があります。
「柴胡と山梔子」は、イライラ、のぼせ、ほてり、胸苦しさ
などの症状にも対応でき、自律神経亢進による熱証を
鎮める作用もあります。

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