漢方薬の驚異 第19回 四君子湯(しくんしとう) その2

(カンゾウ)

 

補気剤の代表的処方 四君子湯(しくんしとう) その2

補気剤の代表的処方の四君子湯(しくんしとう)の四つの生薬の内の
人参についてお話しました。
今回は、その他三種類の生薬 白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)
甘草(かんぞう)三つの生薬について話します。

★白朮(びゃくじゅつ)

主な薬理効果は、
1.健胃作用
2.利尿作用
3.鎮静作用

★★茯苓(ぶくりょう)

主な薬理効果は、
1.利水作用
2.消化機能をよくする
3.鎮静作用

★★★甘草(かんぞう)

多くの漢方処方の中に入っている甘草は食品の甘味作用
(日本では醤油の甘味料、アメリカでは、タバコの甘味剤)
などとしても利用されています。
また、新薬でも成分のグリチルリチンという成分は肝臓の
保護作用として肝炎などの病気の薬としても利用されている。
主な薬理効果は、
1.胃腸の働きをよくする。
2.心悸亢進を鎮める
3.筋肉の痙攣や痛み止めの効がある。
4.咽喉の腫脹、潰瘍の腫脹などに用いる。
5.咳嗽、喘息に用いる。
6.緩和、解毒に用いる。

以上の四つの生薬が配合された四君子湯は、四つの君子の薬として
あらゆる補気剤の基本処方となる。
人参と甘草は体内に水分を貯える作用があるが、この四君子湯を
服用しても浮腫を起こす事は少ない。
なぜなら、白朮と茯苓が配合されているため過剰な水分は除かれる
からである。

この処方の効能は、
元気を補い、胃の機能低下を正常にする。
しかし、胃もたれするときは陳皮(ちんぴ)を加えて異巧散
(いこうさん)が良い。また、嘔吐・悪心・胃カタルのある時は、
半夏(はんげ)と陳皮(ちんぴ)の加えた、六つの君子の薬
六君子湯を服用すると良い。

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