漢方薬の驚異 第12回 漢方医学の基本的診断 -2-
漢方医学の基本的診断では、気・血に続いて今回は水についてお話します。
「気」と「血」についてはこちら
中国でも気・血・津(しん)というように分類されています。
しかし、その実態・内容に関する認識はまだよく分かっていません。
水とは水分の代謝異常やその結果生じる液体ととらえる
考え方です。
水毒(すいどく)という言葉を聞かれた方も多いと思います。
体のどこかに水分が貯留停滞した状態です。
症状としては、自汗、手指のこわばり、関節水腫、しびれ、
水様の喀痰、鼻水・体が重い・筋肉の痙攣(コムラ返り)・
頭重・めまい・緑内障など多彩な症状が現れます。
今後、この実態を科学的に解明して行かなければなりません。
浮腫・胸水・腹水・関節内水腫など明らかに病態に基づいた
この水の認識は非常に重要なことです。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・・・・食道や咽頭部り痙攣をとったり、
浮腫を除く。
五苓散(ごれいさん)・・・・・・・・・・消化管の水や陰嚢水腫など
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)・・・・・関節内浮腫
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)・・・・炎症性の関節内浮腫
小青龍湯(しょうせいりゅうとう)・・・・鼻・気管支などの浮腫
色々と漢方を応用すると、体に溜まった余分な水を尿、便、汗などによって
体外へ排泄できます。
現在、食生活の変化によって水毒による病気が増えています。
この水毒をとる漢方薬と血の流れを良くする漢方薬を併用すると、排泄が
より効率的に出来ます。
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