この緊急事態の乗り越え方

 

この1か月で、街は激変しました。目に見えないウイルスによって
世界中がひっくり返るほどの事態になりました。
人・物・お金がストップし経済は回らず、緊急事態宣言で営業できない
お店が増え、閉店に追い込まれるお店もあります。

気持ちも落ち込み、眠れない・食欲がない・喧嘩が絶えないと言う
お話が増えています。子供たちも学校へ行けず、ストレスが溜まっています。
寝言を言うお子さん、怖い夢を見るお子さんも増えています。

こんな時に、どのような生活を送れば一番良いのか、知り合いの
免疫学に詳しいドクターにも聞いて考えてみました。
まず、免疫力を落とさないようにすることが一番であると思います。

免疫系は、自律神経やホルモン系と密接にかかわりあっているので、
恐怖や怒り、不安な状態では全く活性化されません。
交感神経緊張状態である恐怖・怒り・不安の時は、自らの副腎から
ステロイドホルモンを分泌して、身体を守ろうとします。
一時は元気が出て動けるのですが、ホルモンが低下すると、その後から
今度は免疫抑制の状態へ落ち込みます。
年末などにとても忙しいなか元気にバリバリ仕事した後に、お正月
休みに入ってほっとした途端によく風邪を引くことがあります。

このような状態は、体は免疫抑制が起こり風邪などのウイルスに感染
しやすくなっています。
疲れをためず、睡眠を多めに取って、身体はお風呂につかってゆっくり
温める。食事も腹八分目にし、野菜・果物も摂ることが大切です。
新鮮な野菜を摂りにくい緊急事態時は、青汁や野菜ジュースなども
取り入れましょう。また、散歩やヨガなどの軽い運動も大切です。
副交感神経を優位にして癌細胞やウイルスと戦ってくれるNK細胞や
キラーT細胞などを活性化しましょう。
リラックスした呼吸と十分な睡眠を心がけたいものです。

私たちの身体には「自然免疫」と「獲得免疫」という2つの免疫システム
あります。
1つ目の「自然免疫」は、生まれながらに体に備わっているものです。
自分の力で元に戻してゆく自然治癒力の根幹をなす重要なシステムで、
マクロファージや顆粒球(主に好中球)、NK細胞が担当しています。

自然免疫は細菌などを排除する力がありますが、細菌・ウイルスなどの
敵を記憶することはできません。異物の排除する為に、迅速に働きます。
まずマクロファージは、異物発見能力が高く、体内に侵入した敵を飲み込み、
細胞の中で消化します。(貪食能)
そして、顆粒球も貪食能(敵を食べる作用)を持ち、生体に傷が出来たら
一番に駆けつけ、細菌が侵入すると食べて殺菌します。
傷の後に膿が溜まりますが、顆粒球が細菌と戦った後の死骸です。
マスコミなどでよく話題になるNK細胞は、がん細胞やウイルス感染した
異常細胞を見つけ、タンパク質を振りかけて排除し、マクロファージの
ようにアメーバ状の高い貪食能を持っています。

BCG接種した方は、新型コロナウイルスに感染しにくいのではないかと
言われています。
しかし、その理由は現在はっきりしていませんが、ウシの結核菌を弱めて
作られたBCGワクチンは、ヒトの自然免疫活性を高めるためではないかとも
言われています。
日本が欧米に比べて感染者数・死亡者数が少ない理由かもしれません。
今後の研究結果が待たれるところです。
次回は、もう一つの免疫システムである、「獲得免疫」についてお伝えします。

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