免疫について 3 - 異物の侵入を阻止するバリア -
1.免疫の最前線 「皮膚」
目とか口などの粘膜を除けば、体表のほとんどは皮膚で
覆われています。
成人で皮膚の面積は畳一帖ほどの広さです。
皮膚の表面は、ケラチンというタンパク質でできた
角質層で覆われています。角質はわずか50分の1ミリメートル
程度の厚さですが、外界からの異物の侵入を阻止する強力な
バリアです。
しかし角質も完全ではありません。ケガ、ヤケドなどにより
このバリアが破れると異物が皮膚に侵入します。
大やけどで、広い面積にわたり皮膚が傷つくと、種々の
異物が侵入するので、感染症を防止するのが重要な処置の
1つになるのです。
角質のバリアは異物の侵入を阻止する重要な役割を持っいますが
侵入した異物に対して別の手段で対応します。
角質の下には、免疫軍団の白血球が待ち構えています。
これにはマクロファージ、リンパ球などがあり、侵入した
異物に襲いかかり、排除します。
皮膚が化膿し、うみが出るのは白血球が細菌と戦った死骸で
免疫が働いている証拠なのです。
また乾布摩擦が風邪などの予防になるのは、皮膚の免疫力が
高まるからです。
免疫の最前線「皮膚」は、免疫にとって重要な異物の侵入を
阻止する強力なバリアなのです。
2.肺で活躍するマクロファージ
肺は、皮膚と同様外界の空気に直接触れる器官です。
空気中の細菌・ウィルス・ちりなどが肺を攻撃します。
肺の奥には「肺胞」があり、そこでは、空気中の酸素と血液中の
二酸化炭素の交換が行われています。
肺胞の表面積は約60平方メートルもあり、それが外気に曝される
のですから当然、雑菌などの侵入を受けやすいはずです。
しかし、皮膚と同様、ここにも外敵を排除する防衛軍が駐屯しています。
これがマクファージです。これが侵入した敵を食べて処理してくれるのです。
痰は異物排除の1つの現象でマクロファージが食べた異物を外部に
放出しているのです。
また、鼻毛が伸びるのは空気中の異物のフィルターであり、
セキが出るのは異物の排泄の1つの症状です。
喫煙者のマクロファージは、煙を吸い込んで真っ黒になっています。
また数も増えており、慢性的な炎症状態と言えます。
喫煙者に肺気腫が多いのですが、タバコの煙をいつも吸収している
という刺激が逆に過剰防衛になり、自分の肺を傷つけているのでは
ないでしょうか。
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