胃の機能障害と漢方薬にできること
関西の梅雨入りは例年よりとても遅く、気圧や気温変動の激しい季節が続き、
梅雨入りしたとたん各地で大雨になりました。
体調不良で風邪をこじらせている方や胃腸障害の方も多いです。
どうぞ、お大事にお過ごしください。
今回から2回に分けて、胃と腸の機能障害についてお話します。
一般的に春先から胃の不調を訴える方が多いのですが、胃の機能障害である
機能性ディスペプシア(FD)という病気は年中発症し、このストレス社会、
環境が大きく影響している病気でとても治りにくいです。
機能性ディスペプシア(FD)は、胃もたれやみぞおちの痛みなど、胃の不快な
症状が続いているにもかかわらず、内視鏡で見ても特に異常が見られない病気です。
このように、胃の粘膜など目に見える異常がないのに、胃の働きに問題があるのが
この病気の特徴です。
2016年に発表された最新の基準(RomeⅣ基準)が現状の最新の基準です。
その基準では、FDは症状の原因となりそうな器質的な疾患がないにも関わらず、
機能的な異常がみられます。
①食後の胃のもたれ
②早期満腹感
③みぞおちの痛み
④みぞおちの焼ける感じ
「上の①~④のうち少なくとも1つ以上の症状があり、その症状が重いため生活に
悪影響を及ぼしている。
加えて、その症状が6カ月以上前からあり、3カ月以上症状が持続している。」と
しています。一般的に漢方薬では六君子湯がよく用いられていますが、まったく
効かないと言われる方が多いです。
山本巖流漢方医学では、機能性ディスペプシア(FD)は気虚と気滞の状態と考え、
気虚は胃の消化吸収機能の低下と胃の筋肉の弛緩蠕動運動の低下であり、
気滞は胃の筋肉の過緊張と逆蠕動という全く異なった病態に分けて機能性ディス
ペプシア(FD)の病態を捉え、違う漢方薬を使います。
FDで多い気滞の過緊張タイプには、柴胡・枳実・芍薬をベースにした処方を
使用します。特に気滞には枳実(キジツ・ミカン科)の皮が最重要生薬と考え、
過緊張・逆蠕動で起こってくる胃の不調を改善します。
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