春先に多い胃不定愁訴・機能性ディスペプシアとは

201747

4月に入り各地の桜の花も開花し、いよいよ春本番の季節になりました。
今年の2月~3月の季節の変わり目は気温変動が激しく、色々な不調を
訴える方が多かったように思います。

気温や気圧の変動は体に取ってかなりのストレスになります。
体調を整えて、春からの新年度、新生活を元気に乗り越えて頂きたいと
思います。

4月、5月は、ストレスも多く胃腸の不調の方も多い季節です。
特に、最近よく相談されるのが機能性ディスペプシア(FD)「胃の不定愁訴」と
呼ばれる病気です。

症状としては、
①食後のもたれ感、②早期満腹感、③心窩部痛、④心窩部しゃく熱感、などの
症状が1つでも3か月以上続く場合を、機能性ディスペプシア(FD)と診断
されます。

①と②を食後愁訴症候群、③と④を心窩部痛症候群と分類されています。

西洋医学では。消化管運動機能賦活薬、酸分泌抑制薬、鎮痙薬、抗不安薬、
抗うつ薬などが使われています。

最近の病名漢方診療では六君子湯(りっくんしとう)がすぐに出されますが、
効かない症例が多いです。

私が尊敬している福岡・山方医院の山方勇次先生は、機能性ディスペプシア
(FD)に六君子湯は約1割の方しか効かない
と言われています。
六君子湯は、漢方で言う気虚の病態の機能性ディスペプシア(FD)には有効
ですが、その他約9割の方は気滞の状態であるから効かないのです。


六君子湯は、胃の筋肉の弛緩と蠕動の減退している気虚の時によく効く
漢方薬です。
漢方でいう気滞という病態は、胃の筋肉の過緊張と逆蠕動、幽門括約筋の
過緊張であると胃の内視鏡映像で教えて頂きました。

西洋医学的な病態の把握と漢方医学的な診断の重要性がとても大切である
事が分かります。

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