発熱などの不快症状と「体の自然治癒能力」 -対処療法の前に-
急激に寒くなって、風邪をひいている方が多いこの頃です。
気温変動が大きいこの季節、どうぞお大事にお過し下さい。
病気になると、色々と辛い症状が起ってきます。
医者も患者も、その辛い症状を取る事を第一に考えて治療が
始まります。
しかし、その症状の意味を深く考える必要があると、
新潟大学名誉教授の安保徹先生は次のように言われています。
『からだを休めたり、睡眠に入ったり、消化管の働きを支えて
いるのが、リラックスの体調をつくる副交感神経の作用です。
また、分泌現象を支配しているのも副交感神経です。
おだやかに副交感神経が働いた時には体調もおだやかで平和な
世界です。問題になるのは強いストレスにさらされた時です。
交感神経反応や顆粒球(白血球の一種)増多がおこり血流は抑制され、
時には組織破壊も伴います。この後で、急激な副交感神経反射が
誘発されます。おだやかな体調をつくる副交感神経もつらい症状を
つくります。
アセチルコリン、プロスタグランジン、ヒスタミンなど体に備わる
成分の作用で、腫れ・発熱・痛み・下痢・ショックなどをもたらします。
どれも辛い症状ですが、
血流を増やしたり、毒を出したり、さらなる危険から身を守る反応です。
こういう意味を知らないと病気を治す事ができません。』
なるほどそう考えると、体の不快な症状である腫れ・発熱・痛みは、
自然治癒反応の流れだと理解できます。
熱や痛みがあったら、すぐに消炎鎮痛剤・ステロイド・免疫抑制剤を
使用し続けると病気は治る機会を失います。
不快な症状は、からだの失敗で起こっているのではない事、体が自分で
治そうとしている反応である事を知っておくことは大切です。
自然治癒力を高めるために血流をよくしたり、排毒したり、体を温めたり
できる漢方薬は自然に沿った治療薬であることも分かります。
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