気候、気圧変動と自律神経との関係
暖かい秋から一気に寒い冬がやって来て、風邪をひかれた方も多かったと思います。
今年も残り少なくなりました。
何かと忙しい年末年始、体調に気をつけてお過ごし下さい。
今年最後のテーマは、気候変動と自律神経について。
日本海側と太平洋側では気候が全く異なりますが、太平洋側の冬は高気圧が来て好天が続きます。
免疫学者の安保先生が面白い事を言われています。
「高気圧が来ると呼吸数と脈拍数が上昇し、低気圧の時にはいずれも低下する。
高気圧とは空気量が多く、酸素の量が増えること。
高気圧の時は人間の呼吸は活発になり、体内に入れる酸素量も多くなる。
人間がたくさんの酸素を体内に取り入れると、交感神経が緊張して、脈拍が速く、呼吸数が多くなり、白血球の中の細菌を食べる顆粒球が増えるのです。
その顆粒球が増えすぎると活性酸素を発生して組織障害が起こりやすくなる。
老人の皮膚やシミ、がん、中耳炎による難聴、関節炎による歩行障害の原因、歯槽膿漏、痔疾にもなりやすくなる。
一方、低気圧の時は、酸素量が減少して、ゆっくり呼吸、心拍数が減少して脈が遅くなり、
胃酸分泌などが増加して白血球の中のリンパ球が増える。副交感神経が優位になって、
うつ状態やアレルギー疾患などが起こりやすくなる。」
人間の体は、気候変動によって大きく影響を受けています。
気圧ももちろんですが、温度や湿度にも影響を受けます。
この気候変動に負けない対応力をつけることは、病気をさらに悪化させない為や病気の予防に非常に大切な事です。
漢方薬は昔から寒熱(寒さや暑さ)や燥湿(乾燥や湿気)などを重要視して気候変動に対応し、
人の体質(冷・熱・湿・燥)に合わせて生薬を使い分けます。
現代の免疫学で科学的に解明されてきた事を、何千年も前の昔の人が知っていて、生薬を選んでいたのが驚きです。
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