活血化お剤 ⑥ -森先生の通導散-

■■なぜ森 道伯先生が通導散を使うようになったか?

・大正時代の関東大震災の時、千葉に疎開されていた
森 道伯先生は、ここで通導散の治方を確立された。

・折傷(せっしょう)の病人が爆発的に増え、それに対応して
膨大な通導散を使われたであろうと想像される。

・地震で家屋倒壊後のクラッシュ症候群のように内出血多く、
その出血が凝滞して体内に滞り血液が吸収されると熱が出る。

・大小便が出ず、腎不全を起こすような時に使用した。

■クラッシュ症候群とは?

阪神大震災で多数の患者(372名)が報告されています。

しかしこれは後から病院のカルテを調べたものです。

当時はクラッシュ症候群は医師にもあまり知られていませんでした。

病院にたどり着かずに突然死した人たちが語り継がれており、

実際はもっと多かったと思われます。

■クラッシュ症候群

・2時間以上挟まれていた

・挟まれていたところの末梢に麻痺がある

この二つがそろえばクラッシュ症候群を疑う。

●倒壊した建物で筋肉、静脈、動脈が圧迫を受けた後、救出の
際に圧迫が開放され、 筋肉にも再び血液が流れ始めます(再還流)。
しかし細胞の膜がこわれているために、細胞の中に水分が取り
込まれていきます。
その結果体循環の水分が減り脱水となり、急性腎不全を
起こしてきます。

●またこわれた筋肉細胞からカリウム、ミオグロビンなどが静脈、
体循環に流れ込んできます。
カリウムは高くなると瞬間的に心臓を止めます。
元気だった人がクラッシュ症候群で急速に状態が悪化し
死に至るのは高カリウム血症が原因です。

この治療は血液透析をするしかありません。 この予防、
治療には大量の水分 補給が必要です。点滴するのが
ベストですが医師がいない状況では水分をたくさん
飲ませることが必要。

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