夏バテ ~おすすめ漢方薬と対策~

夏バテは、日本の高温多湿な気候が原因で起こる、体調不良の総称です。
主な症状は「全身倦怠感」「食欲不振」「下痢・軟便」「めまい」「頭痛」「イライラ」「不眠」など多岐にわたります。
西洋医学ではビタミン剤や水分補給が中心となりますが、漢方医学では色々な体の症状に合わせて対応します。
夏バテの主な原因
漢方医学では、夏バテの原因を以下の3つに分類します。
- 暑さで体のエネルギーが消耗し、疲労感・倦怠感・多汗・食欲不振・下痢・動悸などが現れます。
- 暑さと湿気が体に入り、微熱・頭重感・悪心・下痢・軟便・食欲不振などが現れます。
- 暑さが熱に変わり、高熱・顔面紅潮・口渇・イライラ・不眠などが現れます。

夏バテ対策におすすめの漢方薬
夏バテ対策には、症状や体質に合わせた漢方薬が有効です。
代表的な漢方薬をいくつか紹介します。
1. 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
暑さによる倦怠感、食欲不振、下痢、夏やせ、口渇など体力を回復し、胃腸機能を整える。夏バテの代表的な漢方薬。
【主な生薬】
人参、黄耆(おうぎ)、麦門冬(ばくもんどう)、白朮(びゃくじゅつ)五味子 陳皮 黄柏 当帰 甘草など
2. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
全身倦怠感、食欲不振、疲れやすい、夏やせ、多汗症など、体力低下や消化機能の衰えがある方に適しています。
夏バテによる疲労感が強い方、産後や更年期の女性にもおすすめ。
【主な生薬】
人参、黄耆、当帰(とうき)、柴胡(さいこ)白朮 陳皮 大棗 甘草 乾姜 升麻など
3. 五苓散(ごれいさん)
体内の水分バランスを整え、むくみ、下痢、吐き気、めまい、頭痛などを改善、暑気あたり、二日酔い、気圧の変化による頭痛にも有効。
水分代謝を改善し、夏バテや熱中症の初期症状に効果的です。
【主な生薬】
猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、白朮、桂皮(けいひ)など
4.猪苓湯 (ちょれいとう)
湿熱の治療と下痢の治療に用いられます。
湿熱とは、熱があって、そのために口が乾き水を飲んでも尿に出ず、体内にたまっている状態をいいます。
熱と同時に湿のある状態に効果的。
【主な生薬】
猪苓(ちょれい)、 沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、滑石、阿膠
症状別・体質別の漢方薬選択
夏バテの症状や体質によって、適した漢方薬は異なります。
症状・体質 | おすすめ漢方薬 |
倦怠感・食欲不振・下痢 | 清暑益気湯、六君子湯 |
疲れやすい・四肢がだるい | 補中益気湯 |
むくみ・下痢・吐き気 | 五苓散 猪苓湯 |
夏バテ予防・改善のための生活習慣
夏バテに漢方薬は有効ですが、それだけではなく生活習慣の見直しも大切です。相乗効果で乗り切りましょう。

冷たいものの摂りすぎに注意
アイスクリームやビールなど冷たい飲食物は、胃腸を冷やし機能を低下させます。適度に控えましょう。
栄養バランスの良い食事
たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取。夏バテ予防には、山芋、豆腐、湯葉、桃、リンゴ、鰻、穴子、ハモなどがおすすめ。
十分な睡眠と休息
規則正しい生活リズムを保ち、睡眠時間を確保しましょう。
適度な運動
無理のない範囲で体を動かし、体力を維持しましょう。
入浴で体を温める
やや温めの湯に肩までつかり、自律神経のバランスを整えましょう。
ストレスをためない
趣味やリラックスできる時間を作り、ストレスを発散しましょう。
夏バテ対策のまとめ
猛暑を乗り切るためには、漢方薬と生活習慣の両面からの対策が重要です。
清暑益気湯、補中益気湯、五苓散、など、症状や体質に合わせた漢方薬を活用し、バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動、ストレス発散を心がけましょう。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことで、より効果的に夏バテを予防・改善できます。
自分に合った漢方薬が分からない場合は、漢方薬局や医療機関で専門家に相談してください。
当薬局では、症状だけでなく体質・既往歴などトータルに考え、患者さまごとに最適な処方でお客様によりそっています。

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