岸田首相も ~増えています、新型副鼻腔炎~
岸田首相が2月に慢性副鼻腔炎で日帰り手術を受けていましたね。
鼻茸(はなたけ)と呼ばれるポリープもあったとのことでした。
日本で副鼻腔炎の方は100万人から200万人、そのうち鼻茸があるような「慢性副鼻腔炎」の方は20万人と言われています。
副鼻腔とは、鼻の穴(鼻腔)の周囲にある4対の空洞のこと。小さな穴で鼻腔とつながっています。
風邪などをきっかけに、鼻腔や副鼻腔の粘膜が炎症を起こして肥大化すると、互いの出入り口をふさぎます。
すると、副鼻腔内に鼻汁がたまり、そこにウイルスや細菌が繁殖し、膿ができてたまり、黄色のドロッとした鼻汁や鼻詰まりが起こり、生活の質がひどく低下します。
3カ月以上続く副鼻腔炎を「慢性副鼻腔炎」と呼びます。
慢性化すると、約半数の方の粘膜にキノコに似た白いポリープ(鼻茸)ができます。ポリープというものの腫瘍ではなく、実態は「炎症して肥大化した粘膜」です。
症状が進むと嗅覚障害が起き、深刻になると、ごくまれに目の炎症・髄膜炎などの合併症を引き起こすこともあります。
このような感染型の副鼻腔炎は以前は「蓄膿症」と呼ばれていましたが、衛生環境や栄養状態の改善のおかげで近年は減少傾向にあり、治療法も確立された今日では治しやすい病気となっています。
その一方で、2000年を境に難治性の新型副鼻腔炎が大人の間で急増しています。
新型副鼻腔炎の患者の鼻の粘膜や血液には、白血球の一種である好酸球(こうさんきゅう)が増えていることから、「好酸球性副鼻腔炎」という病名がつけられています。
この好酸球性副鼻腔炎の方は、慢性副鼻腔炎の患者20万人の10分の1にあたる約2万人。
両方の鼻に鼻茸ができ、粘り気のある鼻汁が出て、ひどい鼻づまり、嗅覚障害が起こります。ステロイドだけが唯一の薬という難しい病気です。
好酸球性副鼻腔炎の症状は、鼻汁が出る、粘膜が炎症して鼻が詰まるという点では、従来の副鼻腔炎と変わりません。
しかし、次のような大きな違いがあります。
・鼻汁は白や無色でつきたての餅のようにネバネバし、鼻をかんでも簡単に出てこない
・両側の鼻に必ずと言っていいほどポリープができる
・初期段階から嗅覚障害になり、鼻詰まりがない時でもにおいが分からない
・罹患者の半数が喘息を併発する
・成人に多く発症する
特に、喘息との関わりは深く、アスピリンなどの解熱剤で喘息を誘発するアスピリン喘息の合併や、喘息が原因で好酸球性副鼻腔炎になるケースも多数みられます。
しかし、気管支喘息を起こすようになってから、好酸球性副鼻腔炎になるのか、逆に好酸球性副鼻腔炎になってから気管支喘息も起こすようになるのかは、まだはっきりとした研究結果はでていません。
これまでの調査では、気管支喘息が先の人、好酸球性副鼻腔炎が先の人、気管支喘息と好酸球性副鼻腔炎が同時に起こった人は、ほとんど同じ割合であり、それぞれ30%から35%程度です。
男性の方が女性よりも多く、ほとんどの人が20歳以上になってから発症し、15歳以下は発症しないといわれています。
アレルギー性鼻炎の方が増加の一途ですが、鼻をかみ過ぎると炎症が続き、慢性副鼻腔炎になりやすくなります。
アレルギー体質を改善するためには、漢方薬や食事療法で体質改善することが大切です。
そして時間はかかりますが、この新しい難治性副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎も改善することができます。
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