漢方薬の驚異 第94回 お血(おけつ)とは?-1-
今回より「お血(おけつ)」について解説します。
お血とは、漢方治療の中でも特に重要な
漢方の概念で、西洋医学の病態把握にない、
独特の捉え方です。
私の恩師・山本巖先生は、難治性疾患には必ず
「お血」という病態を考えられました。
●「治らない病はお血を考えよ。難治性の病、
慢性疾患のほとんど総てにお血が咬んでからみ
あっている。治らない病、ことに女性はお血の
存在に注意せよ。
だが、お血が単独に存在することは少ない。」
先生の師匠 漢方舎・中島紀一先生も、
日常診療の中の難治性疾患に対して
「血証(お血)を改善する事」を大変重要視された。
●「諸悪は血だ。病、百のうち百まで血で解決する。
血というものを重視せよ・・・」
現代医学的にみると微小循環不全の状態が
もっともお血に近い病態と考えられています。
大きく捉えると静脈系のうっ血で、動脈系の
うっ血は寒証による血行不良が関与してくると
考えられています。
また、炎症性の充血は熱証に相当しますが、
動脈側の血行の亢進にもかかわらず静脈側の
うっ血が生じる。これも、お血と考えられます。
山本先生はお血に関して、
●「古人がつくった臨床的仮説で、近代医学の
眼が捉える血液の停滞現象との間には大きな
距離がある。」
●「お血とは駆お血剤を与えると改善される
病態である。」
という名言を残されました。
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現在治療中の方はかかりつけの主治医と
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