漢方薬の驚異 第85回 しゃっくり - 術後に発症することも -
前回まで、呉茱萸湯でした。
その中で、少しだけ触れた「吃逆・しゃっくり」の
お話です。
「しゃっくり」も術後から難治性で困られている方が
いらっしゃいます。
開腹手術をして、難治性の時は補中益気湯や
胃がんの末期に出る難治性のしゃっくりには
甘草瀉心湯加陳皮がよく使用されます。
こんなエピソードが残っています。
昔、吉田茂首相が高知で遊説中にしゃっくりが
止まらなくなり、高知県の名医は誰も治せなかった。
そこで主治医の馬場辰二先生が、東京から駆けつけた。
この処方(甘草瀉心湯加陳皮)で治し、無事に演説が
できたそうです。
現在の漢方エキス剤では、この処方はなく
熱のある時は・・・半夏瀉心湯
寒の時は・・・・呉茱萸湯
妊娠時・・・・麦門冬湯
などが利用されています。
煎じ薬になりますが、
丁香柿蔕湯 (ちょうこうしていとう)も有名です。
これは、柿の蔕(ヘタ)が処方に入っている
珍しい処方ですが、難治性のしゃくりに使用すると
とても良く効きます。
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