漢方薬の驚異 第44回 苓姜朮甘湯 (りょうきょうじゅつかんとう) について

秋は長雨で、湿気の多い日々になります。
水毒、湿によって起こる病気の方は、辛い毎日と思います。

今回は、その湿によって起こってくる「冷え、腰痛、坐骨神経痛」に
良い漢方の話です。
整形外科で検査しても異常がなく、神経痛、変形性脊椎症などの診断で
冷シップ、ボルタレン、ロキソニンなどの薬を続けている方も多いです。

湿といっても外湿と内湿に分けられ、以下のケースがあります。

1.外湿とは、湿気の多い環境により、水分停滞が起こるケース。

2.内湿とは、消化機能の失調によって水分吸収や排泄の異常によって
水分停滞が起こるケース。

この外湿によって起こってくる「冷え、腰痛、坐骨神経痛」は、
仕事場で下が冷えている所、水廻りの場所で、働いている方などに多いです。
日本料理の板前さん、魚屋さん、露天の商売の方などてす。

その方は、漢方では「下焦(げしょう・・ヘソから下の部分)の寒湿」という病態で捉えます。
そして、治療方法は温陽利水(おんようりすい)という方法で余分な湿を除きます。

代表的処方は、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)です。

構成生薬は、乾姜(かんきょう)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、
甘草(かんぞう)で温め、水を抜きます。

茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)で下肢の水分を血中へ引き
込み、乾姜(かんきょう)で温め循環を良くし、水分の停滞を解消
して湿を取り、痛みを和らげます。

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