秋から冬にかけてのインフルエンザとコロナウイルス - 対策と見分け方 -
新型コロナウイルス感染症の対策として出されていた緊急事態宣言が5月25日に全国で解除されてから5ヶ月が経ちました。
国内での累計感染者数は8万人を超え、コロナウイルスとの戦いは長期化しています。
そのため、今年の秋から冬にかけてはインフルエンザとの同時流行が懸念されています。
テレビなどでおなじみの呼吸器内科医の大谷義夫先生は、次のように言われています。
「2009年の新型インフルエンザの時は、日本では春や夏の第一波よりも冬の第二波の時の方が大規模な流行となりました。
新型コロナも秋から冬にかけてさらに流行する可能性は否定できず、季節性のインフルエンザとの同時流行の対策も考えておかなければなりません。」
秋から冬にかけて懸念される感染拡大の要因と課題
- 空気が乾燥してくると、喉が乾燥しやすくなり、病原体の侵入を阻む防御システムの働きが弱まる。
- 寒くなると密閉した空間に人が集まり、感染が起こりやすくなる。
- 新型コロナと季節性のインフルエンザが同時に流行すると医療が逼迫する恐れがある
インフルエンザとコロナウイルスの見分け方
味覚嗅覚の異常があれば新型コロナの可能性が高くなりますが、それ以外の発熱や倦怠感・悪寒・咳などの症状はインフルエンザでも共通しています。
インフルエンザと新型コロナの混合感染もあるので十分に注意が必要です。
実際に中国武漢の新型コロナ入院患者でも混合感染が報告されています。
もし高熱が出たらいきなり病院に行くのではなく、まずはかかりつけ医などに電話して相談するという手順になります。
そのクリニックが新型コロナ唾液による PCR 検査に対応していれば、発熱の患者さんも診察して頂けるでしょう。
疫学(疾病流行学)を専門とする京都大学名誉教授である川村隆先生は、新型コロナウイルス感染症に関する論考で次のように言われています。
「これから涼しくなって大流行を迎える可能性が高い。
しかし、行うことは屋外での単独行動時を除いてマスクの着用、手洗いやうがい、机上や共用器具の消毒、そして規則正しい生活や軽度の運動による免疫の確保に尽きる。
これらのいずれについても、新型コロナウイルス感染の予防に有効かどうかは証明されていない。
基礎的な研究の成果や他の病原体病態に対する有効性からきっと新型コロナウイルス感染症の予防にも有効だろうと思われるだけである。
しかし、手間や費用はさほどかからないし、より頻度の高いインフルエンザや普通感冒の予防にはなるので、無駄にはならない。
コロナウイルスとの付き合いは今後も続く。社会機能を維持しながら流行が穏やかであるよう地道な努力を続けるのみである。」
インフルエンザとコロナウイルスにかからないためには
今年はインフルエンザになるべくかからないことが例年以上に大切です。
そのためには、
- 手洗いやアルコール消毒はもちろん、人混みにはなるべく行かない。
- 換気の悪い「3密」の屋内は避ける。
- マスクをして喉の乾燥を防ぐ
などの対策で予防しましょう。そして、早寝早起き、適度な運動、お風呂に良く入って体を温めるなど、免疫力を落とさない日々の生活習慣が一番大切だと思います。
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